&sandwich.についてもっと知りたい方へ。働くメンバーの声をご紹介します。
「新宿御苑に行くなら、ここのサンドイッチを買っていこう。そう思ってもらえる店になりたい」
代表:前田幸紀
人生の転機は、あたたかいサンドイッチ
なぜサンドイッチなんですか?とよく聞かれます。
僕の母はパンを焼くことが趣味でした。幼いころから毎朝食卓には焼きたてのバターロールがあり、そこに前日の夕飯の残りを挟んで食べる。それが原体験にあります。
食べることが昔から好きで、新卒では大手の食品会社に営業として入社。漠然といつか自分のお店を持てたら、という夢を抱いていました。
そんなとき、赴任先の仙台で出会ったのが、あるサンドイッチ屋さんでした。
カフェという言葉が今ほど当たり前でなかった約30年前、店主がひとりで営む、サンドイッチを看板に掲げたお店があったんです。
当時のサンドイッチといえば、三角形にカットされたパンに卵やハムが挟まり、パン屋さんの冷蔵庫で売られているもの。でもそのお店では、鉄板の上でパンやベーコンを焼いて、その上で組み立てる、あたたかいサンドイッチを提供していました。
「こんなおいしいサンドイッチがあるんだ」と、すごく感動したんです。自分も将来こんなサンドイッチの店がやりたい、と直感的に思いました。幼いころから我流のサンドイッチを食べ続けてきた自分なら、オリジナルなものをつくれるのでは、とも。もちろん、そんな簡単ではないことに後々気づくのですが。
営業の仕事にやりがいはあったものの、ずっとサラリーマンを続けていくのか、疑問はありました。やっぱり後悔したくないと思い、自分のお店を持つ夢に挑戦することに。調理経験なし、30歳で初めて飲食業に入り、ゼロからお店の店主になると決心しました。
勉強のためにまずはチェーンの飲食店へ。5年ほど働き、カフェの運営ノウハウを身につけ、そろそろ独立かな、と考えたとき、ふと気づくんです。「サンドイッチも料理なんだ」と。
サンドイッチという “料理”
当たり前のことですが、ハムやチーズなどの既製品でない限り、中の具材は自分でつくることになります。
おいしいバジルチキンサンドをつくりたいと思ったら、チキンの調理加減やバジルソースの風味までこだわる必要がある。いくら運営を学んでも、料理ができないとおいしいサンドイッチには辿り着かない。
今まで何をしていたんだろうと思い、調理師学校に通いはじめます。そこで一から料理を学びました。
卒業後は、修行としてチェーンの飲食店で働きました。飲食業の現場は決して楽ではありません。朝から晩まで働き、正直、お店を持ちたいという気持ちを見失いかけたときもありました。ここで頑張ることがなにかにつながると、必死に経験を積んだ時期でした。
「自分のつくりたい味の料理を、おいしくつくることができている」そんな実感が生まれたのは、数年後。今なら自分のお店をつくれるかもしれない、という気持ちになったのです。
バーの間借り営業、たった1品のサンドイッチから
最初は北千住の喫茶店で半年間、働きながらサンドイッチを売らせてもらいました。何の反応もないところから、少しずつお客さんが増えていく体験ができた喜びを感じられました。
その後、友人が経営していた渋谷のバーを間借りして、ランチタイムに1品だけのサンドイッチの店をスタート。これが「&sandwich.」のはじまりです。
トースターひとつでつくれる、インパクトのある商品はなんだろう。そう考えて生まれたのが、今も続く看板商品の「野菜のサンドイッチ」です。
15種類以上の野菜と手づくりのドレッシングを組み合わせた、オリジナルのサンドイッチ。注文を受けてから鉄板でパンを焼き、組み立てます。
ヘルシー志向にマッチし、2年間の営業のなかで、どんどんお客さんが増えていきました。
本格的にお店を構えるために物件を探し、新宿御苑のこの場所にオープンしたのが、2017年の12月。
サンドイッチって、わざわざ買いに行くものではないと思うんです。「あったらいいな」っていう場所にあるから、食べたいと思う人がいる。ここは、テイクアウトして新宿御苑に持って行ったり、テラスで自然を感じながら味わったり。買う理由がある場所なのだと思います。
スタッフは、100%人柄重視
働くスタッフには、商品やサービスに対して誠実であってほしいと思っています。
お客さんには来てよかったと思ってもらいたいから、味でも見た目でも、驚きや感動を与えられるものをつくりたい。そのうえで、いくらサンドイッチがおいしくても、サービス次第ではがっかりもさせてしまう。そこにはすごく誠実に向き合っています。
立地も相まって、繁忙期はかなりのいそがしさになります。すぐにでもメンバーを増やしたい気持ちはあるけれど、絶対に人柄は妥協せずに採用しています。
やっぱりお店ってチームプレイなんですよ。どれだけ技術があっても、雰囲気がよくないとお店はまわりません。
だから、協調性があって、人を助けることができて、サービスを楽しめる人がいい。いいチームをつくりあげるには時間がかかるものの、壊れるのは一瞬ですから。
そうやって採用をしていると、なにか夢や目標に向かって頑張っている人たちが集まってきます。
やりたい仕事のために学校に通っていたり、留学を目指していたり、独立志望の人だったり。みんな巣立っていってしまうのが悩ましい部分ではありますが、いい出会いに恵まれています。これからも、そんな人たちとお店をつくっていけたらと思っています。
「お客さんの心とスタッフの想い、それぞれ滑らかにつながっている、いいお店だと思います」
社員:三浦正樹
長年の飲食業界の経験を経て
回転寿司にアジア料理、フレンチ、イタリアン、和食…、ずっと飲食業で働いてきました。料理が好きだったので、まずはいろんなジャンルを経験してみようと、20代はいろんなお店を転々としていました。
スキルを正しく学び直して調理師免許を取得しようと通った学校で、代表の前田と出会いました。もう15年以上前の話です。
卒業後はクルーズ船の料理人を経て、知り合いのお店を長年手伝っていたんですが、昨年身体を壊して入院してしまって。退院後、次の仕事を考えていたときに、お店を手伝ってほしいと連絡をもらいました。
学生時代からやりたいお店の話は聞いていましたし、ここもオープンのときから知っています。これを逃したら彼と一緒に働く時間はこの先ないだろうと思って、入社することにしました。
スタッフの1日の流れ:
6:30~7:30 出勤(時期による)・オープン準備
9:00オープン 営業をしながら仕込み、交代で休憩
16:00 営業終了、翌日の仕込み、クローズ作業
18:00〜20:00 退勤(時期による)
*スタッフはオープニングかクローズ、原則いずれかには入るようシフトを調整。夜の営業がないため、健康的に仕事を続けやすい環境です。
流れのいいお店
これまで多くのお店で働いてきた経験から思うのは、このお店は流れがいいなということです。
つくるところから提供まで一連のオペレーションがすごくいい。それがお客さんとのやりとりまでつながっていて、お客さんの心にスタッフの想いがきちんと届いているように思います。スタッフがみんな同じ温度感で仕事をしていますし、コミュニケーションもとれているなと感じますね。
大変なのは、一つひとつのサンドイッチのレシピを頭に入れること。これまでは自分でメニューやオペレーションを考えることが多かったので、完成されたものをミスなく覚えることに、思ったよりも苦労しました。
& sandwich.のスタッフは、基本的にはキッチンとホール両方を担います。ずらっと並んだ伝票をうまく捌く力、飲み物をとサンドイッチを同じタイミングで提供する動き方、店内利用の方とテイクアウトの方を見分ける方法。そういうやりくりはむずかしいですね。
生野菜を扱うので、常に清潔であること、お客さんやスタッフ同士の心地よいコミュニケーションを意識して、日々働いています。
「独立のための修行として入社。個人経営だからこそのアドバイスをたくさんもらえて、学びになりました」
元アルバイトスタッフ:小野寺美咲
個人経営の店だからこそ学べたこと
2022年に& sandwich.に入社し、2023年からフードトラックカフェ「1016 TOiRO COFFEE(トイロコーヒー)」を運営しています。
以前は、スポーツメーカーで働いていました。コロナ禍をきっかけに自分の働き方を見つめ直したとき、直接お客さんとの関わりが生まれる仕事がしたいと思い、昔からの夢だったカフェ経営の道に進むことにしました。
とはいえ、学生時代のアルバイトしか飲食店の経験がなかったので、まずは修行として働きたいと、& sandwich.に応募しました。
半年ほどで独立を目指していると伝えていたので、コストや経費の考え方など、経営において必要なことをたくさん教えていただきました。
前田さんには、営業後に事業計画書を見ていただいたり、メニューのアドバイスをいただいたり。決まったマニュアルのあるチェーン店ではなく、自分で一から考えてお店をつくってきた、個人経営ならではの視点からのアドバイスがありがたかったです。
安らげるサードプレイスをつくりたい
いずれお店を構えるためのファーストステップとして、今はキッチンカーを営業中。レジ周りの動線や伝票の仕分け方のような小さなことまで、& sandwich.で見てきたノウハウを真似させてもらっています。
疲弊しがちな都会での仕事や暮らしのなかで、日々気軽に訪れて安らげるようなサードプレイスをつくりたいという想いがあります。
運営に加えて、地域との関係づくりも、& sandwich.での大きな学びになりました。朝の準備中に犬の散歩中の方が挨拶してくれたり、常連さんとの気さくなコミュニケーションだったり、地域に根づいた個人店ならではのコミュニケーションを体感することができました。
キッチンカーでも、提供の時間の間でどんなコミュニケーションを取れば、愛されるお店になっていくか、日々考えなら営業しています。
ゆくゆくは自分のお店を構えたいと思っている人、地域に根ざしてなにかやりたい人は、きっといろいろなノウハウを学ぶことができるお店だと思います。